おもちゃの王様賞

タウンページの記事

横須賀市のタウンページ紙に掲載されたニュースです。横須賀市衣笠にある老舗の玩具店「おもちゃの王様」では、毎年プラモデルのコンテストを開いてグランプリの「王様賞」を決定していますが、 昨年と今年はコロナで開催中止 のため、「第60~68回」の作品を展示しているとのこと。  私はとっても懐かしさを感じました。私も高校時代に作品を3回出展していたのです。そして第6回と第9回の出展作品は「金賞」、第10回の時は「王様賞」を受賞しました。コロナで開催中止になる前の、一昨年までずっと続いていたんだな。

私のトロフィーと賞状 

第6回の時のトロフィーです。海賊船の帆船を出展しました。私が出展していた時代から、もう50年近くも経っていました。でも、その時頂いたトロフィー🏆は、いまでも大切に飾っています。

第9回の時の賞状です。この時の作品は、ウイスキーの銘柄でも有名なイギリスの帆船「カティーサーク」でした。中学時代は戦車のプラモを夢中で作っていたけれど、高校になってからは「模型の中のキング」と言われる帆船を数か月かかって作ることに夢中でした。家ではプラモ、外ではバイクを乗り回すのが青春でした。

高校2年が終わる春に頂いたトロフィーです。3回目の出展で、頂点の王様賞を受賞しました。当時、ライバルに飛行機をメチャクチャ上手に作る大学生がいました。第10回の時もその大学生が飛行機を出展しました。私は4本マストの帆船「パミール」を出展しました。3か月かけて製作した大作で、全長が77㎝あります。審査はおもちゃの王様代表者の平岡さんと平岡さんが依頼して審査に加わった「模型専門家」らしき男性です。平岡さんからは「大学生の飛行機の出来は素晴らしい。でもここまで帆船を緻密に製作したあなたが、その努力も含めて王様賞に値する」と言っていただきました。

王様賞受賞の帆船「パミール」

王様賞を受賞した「パミール」です。50年近くたった現在でも、自宅応接間サイドボードの上に、誇らしく君臨しています。製作にあたっては、設計図が基本ですが、帆船の本を何冊もそろえてロープの張り方や滑車の使い方などを勉強しました。組み立て順も、取り付けてからでは塗装が困難な部品は先に塗装する等、完成時をイメージしながら作りました。この時の経験は、私がDIYで物作りをする時、完成時をイメージして、そのイメージを具現化するためにはどんな材料を使って、どのような作業工程で進めれば良いかなどを考える基礎となっています。

「パミール」の拡大写真です。帆は模型のキットに「プラスチックの帆」が付いていました。しかし、どう考えてもプラスチックでは、帆本来の「布」の質感が出せないと思いました。そこで、本物の布で帆を製作することにして、一番適した布を探した結果、「ワイシャツの布切れ」にしたのです。しかも風に帆がはらんだ状態を表現するため、縁には針金を使いました。ロープ張りは、気の遠くなる作業でしたが、両手にピンセットを持って根気良く作りました。

老舗玩具店「おもちゃの王様」

今回、タウンページ紙に掲載された老舗玩具店「おもちゃの王様」を見て、久しぶりに訪ねてみようと思い立ちました。高校2年の終わりに王様賞を受賞してからは、受験勉強で作れなかったり、その後の就職で地元を離れたので、コンテストに参加する機会はありませんでした。各地の玩具店が少子化などの影響で店を閉めている中、ずっとお店を維持して作品展が続いていたことを知ったので、当時代表者だった平岡さんはどうしているかな? 記事には2代目店主の平岡育子さんとあるけれど、当時の代表者とはどういう関係だろう?  などと思いは尽きません。 当時は1階が低年齢向けの玩具、2階がプラモデル等の大人まで対象とした商品を扱っていたと記憶しています。本当に久しぶりに訪ねてみると、1階は書店に変わっていました。

2代目店主の平岡育子さんです。私が王様賞を受賞した時の平岡増雄さんの娘さんでした。店内はたくさんのプラモデルが綺麗に陳列されていて、当時の熱気が蘇りました。お父さんの平岡増雄さんは、90歳を過ぎて足が少し不自由なご様子ですが、ご健在でした。わずかな時間でしたが、お話しすることができました。トロフィーや受賞した帆船の写真を持参したので、見ていただいたらシッカリ私のことを覚えていてくれました。とっても嬉しいです。

私も店内で記念写真を撮らせてもらいました。そして、陳列ケースに私の帆船も飾ってはどうかという提案を頂きました。50年ぶりに大勢の方に帆船を見てもらう、願ってもないチヤンスなので、電話番号や住所をお伝えして、後日調整することになりました。高校生の時以来、本当に久しぶりに訪れた老舗玩具店は、シッカリ2代目店主に受け継がれて輝いていました。心がホカホカになって帰路に付きました。

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